古民家移築プロジェクト第五弾-竣工-

古民家移築プロジェクト第五弾-竣工-

2017.2.24

着工から約半年がたち、2016年12月古民家移築プロジェクトもついに竣工の日を迎えることができました。
海外からのお客様に、日本の古き良き古民家でおもてなしをしたいというオーナー様のお声から始まったこの計画、私自身移築の様子をじっくりと工程ごとに見せていただいたので、とても貴重な体験となりました。

それでは、竣工した部屋の様子を見ていきましょう!

室内の様子

古民家

古民家再生

古材をふんだんに味わえる広々とした空間は心地よく、落ち着いた気持ちにさせてくれます。
写真ではわかりにくいですが、古材の小屋組のある吹き抜けはとても高く、開放感を感じました。
打ち合わせ室兼作業スペースとして使用する中央の2部屋の床は、土間コンクリートで仕上げてあります。
ダークブラウン色に艶めく古材に漆喰壁のホワイト、コンクリートのグレイ色の相性も良く、古民家の移築でありながら、モダンな雰囲気に仕上がっていますね。

 

梁組の様子

古材

古材梁

これぞ古民家の醍醐味と言っても過言ではないのがこの吹き抜けの梁組。一本一本表情の異なる古材が何本も重なり合い、組み上げられてできるダイナミックな空間は来客を魅了することでしょう。
今回の古民家再生には冬場の断熱を考慮し古民家よりも壁を多く設置してあり、上部壁面には夏場の通気を考慮した欄間や古建具を設置しています。

 

その他の部屋の様子

囲炉裏

オーナー様たっての希望であった囲炉裏のある部屋を今回実現することができました。囲炉裏の縁と自在鍵は実際の古民家で使用していたものを利用し、雪深い新潟の冬でも視覚的に暖かさを感じることのできる空間になっております。その他に欅の床間も古家で使われていたものを使用しています。梁や柱以外にも再利用できるものは沢山あるんですね。

 

 

古民家の様子

 トイレの壁面の仕上げにも漆喰を使用しています。消臭効果のある漆喰をトイレの壁面に使用することは、とても理にかなっていると言えるでしょう。間接照明で浮かび上がるもみ殻の立体感も素敵ですね!洗面カウンターにはウェンジの無垢一枚板をお使いいただきました。シックでモダンな空間に無垢のぬくもりが感じられます。

 

 

蔵戸テーブル

 打ち合わせスペースの中央にはどどんと蔵戸のテーブルを2台設置!来客の目を奪うことは間違いないでしょう。2台とも欅一枚板の蔵戸を使用。随所にこだわりが感じられますね。現時点では仮設置のため塗装はかかっておりませんが、この後家具屋によりオイル塗装をして仕上げてもらう予定になっています。このままでも十分に味わいがありますが、完成形もみてみたいですね。

 

 

階段箪笥

設計段階から古民家再生の顔として組み込まれていたのがこちらの階段箪笥。この階段箪笥は、新潟県の村上市という古くから城下町として栄えていたところの商家で使われていたもので、弊社社長が一目惚れで買い付けてきたものです。お気に入りの商品が旅立っていくのは、感慨深いものがありますね。ですがまた、実際の階段としての役目をもらえて、この階段箪笥もきっと嬉しく思ってることでしょう。

 

 

古民家古材

 計画の段階から約2年、長かったようであっという間の2年間でした。何度もオーナー様には足を運んでいただき、一緒に古材や家具を選ばせていただいた時間はとても有意義で、楽しい時間でした。

施工業者のH様にも難しい注文を快く受けていただき、そして職人の方々の技術で形にしていただいて本当に感謝しております。

私たち自身、解体されてしまう古民家から救い出してきた古材や古建具、蔵戸や家具が実際に新しい古民家として生まれ変わった姿を見ることができ、とても感慨深いものがありました。

私たちはこれからもこの事業を通して、古いものには古いが故の価値があることをより多くの方々に知ってもらえることができればいいなと考えております。  

 

バックナンバーはこちら>>

古民家移築プロジェクト第一弾-仮組み-

古民家移築プロジェクト第二弾-上棟-

古民家移築プロジェクト第三弾-内装-

古民家移築プロジェクト第四弾-仕上げ-




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